第9章 誰かがお前の命を買おうとしている

郊外の倉庫。

ひゅう、と冷たい風が吹き抜ける。隅っこで身を縮めていた南坂海乃は、ゆっくりと目を開いた。瞳の奥に、ぽっかりとした迷いが浮かぶ。

――私、空港へ向かう車の中じゃなかった?

ここ……どこ?

こめかみがずきりと痛んで、海乃は思わず息を呑んだ。すると、意識を失う直前の記憶が一気に押し寄せてくる。

空港へ向かう途中、運転手がミネラルウォーターを差し出し、「落ち着いてください」と言った。

夕方のラッシュで渋滞はびくとも動かない。海乃は仕方なくボトルを受け取り、一口飲んで気を紛らわせた。

……その直後から、妙に眠くなって。

そこから先は、途切れている。

「姉さん……起きたの...

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